
他人からはわからない
発達障害の娘を持つ母にとってなかなか辛いのは、娘の障害が他者からはあまり理解してもらえないところです。
(こちらの記事でも触れています。)
相手が娘のいちごをよく知る人であればあるほどそれが難しくなる傾向があります。
例えばいちごを幼い頃から知るママ友であれば、どれほど私が困っていると訴えても、問題行動の裏にはこんな心の葛藤があるせいだとか、精神的な負担があるせいだとか、めちゃくちゃ別方向からアプローチされるのです。
今は便利な時代ですから、ネットで色々調べられますから、発達障害、問題行動の知識も豊富なようです。
ママ友が精神科医だとか、心理士さんだとか、プロの方であればアドバイスは大変ありがたいです。
しかし発達障害は十人十色であり、ご自身が見聞きした発達障害とはまた別のタイプがたくさんいて、ご自身が持てる知識に当てはめてアドバイスされたりしても困惑するばかりです。
特に、ママ友に同じ発達障害のお子さんがいたりすると、「うちの子はこうだった」という前例がある分余計にややこしくなります。
どういうことかというと、例えばある困りごとがあったとして、その時うちの子は実はこういう考えがあった、だからお宅もそうであるはず、みたいなことですね。
また、ママ友は娘を知っているだけに、『私の知るいちごちゃん』像があって、そこからかけ離れたものは受け入れられないようでした。
家でこんなことがあって、そのときこんな状況で、と説明したとしても、そんなふうには見えないだとか、そんなことはないだとか。
それから我が家は、祖父母にも娘の発達障害がうまく伝わりません。
ママ友より近い関係であるにもかかわらず、伝わらないんです。
ママ友と同じように、『私たちの知る孫ちゃん』像があるからなのは否めませんが、近い関係であるにも関わらず、深い関係ではないからです。
普通に生活しているだけでは、いちごの問題行動はなかなかわからないのです。
いちごの問題行動とは
いちごは不注意優勢のADHDなので、わかりやすい問題行動といえは、忘れ物や何かを無くすことが多く、片付けが苦手だとか集中できないとか、そういったことがあります。
しかしこれらはお薬を飲むことでかなり改善でき、今までは手につかなかった勉強も進めることができるようになりました。
ですので、そこだけ見ていれば改善されている、つまり良くなったと思われがちです。
私が最も問題視しているのは、嘘をつくことと、自分の間違いを認めないところと決して反省しない点です。
これはADHDというより、ASDや性格のせいなのでしょいうか?
嘘や間違いについて、頑なに否定していれはそれが本当になると信じているかのように、決して認めません。
困ったことに実父にそっくりで、これは遺伝のせいもあるかもしれません。
(実父は決して不倫を不倫でないと言い張り、最後まで認めませんでした。)
そして、過ちを認めないだけでなく反省もしないので、人としての成長が期待できません。
これはかなり致命的…。
このような特性は、日常生活を送るところを見ているだけではなかなか気付かず、もっと深い付き合いをしなければわかりません。
自分から決して謝らない
過ちを認めない、反省しない、そんな人間が存在するとは思いませんでした。
なぜならそれらは人に必ず備わっているものだからです。
その思い込みというか、人は当然そうあるべきという考えからなかなか抜け出せず、娘が反省しないということに長い間気付けませんでした。
例えば、誰かとぶつかってしまった時や、ものを落としてしまった時とか、小さいことであれば謝ることができます。
しかし、嘘が露見したり重大な『とても悪いこと』をした時、今まで自分から謝ってきたことが一度もありません。
促されて「ごめんなさい」を言うことはあります。
でも、本当に悪いことをしたと思う時は自ら「ごめんなさい」の言葉が出てくるはずです。
それが、一度もないんです。
反抗期だから?意地を張っているから?
色々な可能性を視野に入れましたが、どれも違うようです。
小さなことでは謝れると書きましたが、謝るというよりは反射的にごめんと言っているだけに感じます。
そして、悪いことをしたら謝るというごく当たり前の行動が自発的に出てこないということは、反省していないということでもあります。
発達障害は反省してないと思われがち
一般的に、発達障害の人は叱られても反省していないと思われがちです。
理由は複数ありますが、例えばそもそも何故怒られているのかがわからなかったり、空気が読めない為反省の態度が取れず、お説教後にしおらしくしていることができないんですね。
だから怒られたばかりなのに歌を歌ったり、およそ反省とはかけはなれた行動をしてしまったりします。
我が子を見ていると、次のような特性が強くあるように感じます。
- 相手の立場に立つのが難しいため、自分の行動で相手がどのような気持ちになるのか想像できない。
- 問題解決のための最適な行動が起こせない。
- 自分は悪くないと考えている。
まず一つ目について、いちごは以前、何もしていないのに上級生から意地悪をされる、といってきたことがありました。
その時は、なんて酷い話だと憤慨しましたが、よくよく考えてみると、いちごは無自覚に他人をジロジロ見てしまうことがよくありました。
もしかしたら同じことを上級生にしてしまい、それが上級生にとって不快だったのでは?
でなければ、接点のない下級生にちょっかいを出すとは中々考えられません。
そして、二つ目。
お友達と喧嘩をしてしまったことがありました。
その時はいちごの言葉を、お友達が本来の意味と違ったニュアンスで捉えてしまい、お友達が怒ってしまったのです。
この時、普通の人ならどうするかというと、すぐに謝って本来の意味を伝えると思うんですよね。
ところが、いちごはこの『すぐに謝る』ということが本当にできません。
問題行動の後、落ち着いた頃合いを見計らって、いちごにはいつも言い聞かせていることがあります。
後から自分の行動をかえりみて、悪いことをしてしまったなと思ったら、時間が経ってもいいからごめんなさいを言いに来なさい、と。
しかし残念なことに、今まで一度もそのようなことはありません。
聞けば、自分の行動を振り返ることはほとんどないようです。
私がいちごと同じくらいの年頃の頃は、ベットの中で1人反省会をよくしたものですが…。
そして三つ目。
いちごは常に、自分は悪くないと考えている節があります。
一つ目と連動しているといいますか、自分に非があると気付いていないため他責傾向になりがちです。
それはまあ、発達障害の特性のようなものですから、ある程度は仕方ないと思います。
しかし明らかに自分の間違いから起こっていることでも、決して非を認めません。
怒られることを回避するためなのか、プライドが間違いを認めようとしないのかわかりませんが、とにかく絶対認めようとしないので、こればかりは何とかしないと社会に出た時にまずいと思うのですが、どうにもなりません。
上の漫画のように、普段嘘をつくから信じてもらえないのに被害者ぶるというか、こちらが悪いかのように錯覚してしまいます。
発達障害は独自の思考で動くため、付いていくのはなかなか骨が折れます。


